シャンクのニカワ切れ

先日、アップライトピアノのお部屋をご利用されたお客様から、

「ちゃりちゃりと音がして、響きが耳に障る」とのお声をいただきました。

 

確認しましたところ、「シャンクのニカワ切れ」だと判断しました。

今回はその修理の様子を少しですが紹介します。

聴き慣れない言葉だと思いますので、写真と一緒に説明致します(^^;)

 

 

ハンマー 2

 

簡単に言いますと、ハンマーの付け根の接着が弱くなり、

鍵盤を叩いて音を出すときに雑音が出てしまうという症状です。

「膠(ニカワ)」という動物性の接着剤でハンマーとシャンクが固定されています。

青色で示してある部品がシャンクです。

経年変化によって、赤く丸で囲ったところの接着が弱くなることがあります。

これが「ニカワ切れ」という症状です。

ハンマーが上下にぐらついてしまい、

雑音が出たり、ひどい時は音が出なくなったりします。

 

 

DSCN0585

 

写真の通り、

専用の工具でハンマーを引き抜いて、接着しなおします(^o^)

今回はニカワの代用品として木工用接着剤を使いました。

 

 

DSCN0586

 

接着後、素早く本体に取り付け、ハンマーの細かい角度等を調整します。

ハンマーの角度が悪いと音の出が悪くなるので、この作業が1番重要です。

 

DSCN0587

接着剤が完全に乾燥したら完成です!

雑音が出る原因はニカワ切れだけではないのですが、

今回は これが原因だったようです。

 

京部