先日、アップライトピアノのお部屋をご利用されたお客様から、
「ちゃりちゃりと音がして、響きが耳に障る」とのお声をいただきました。
確認しましたところ、「シャンクのニカワ切れ」だと判断しました。
今回はその修理の様子を少しですが紹介します。
聴き慣れない言葉だと思いますので、写真と一緒に説明致します(^^;)
簡単に言いますと、ハンマーの付け根の接着が弱くなり、
鍵盤を叩いて音を出すときに雑音が出てしまうという症状です。
「膠(ニカワ)」という動物性の接着剤でハンマーとシャンクが固定されています。
青色で示してある部品がシャンクです。
経年変化によって、赤く丸で囲ったところの接着が弱くなることがあります。
これが「ニカワ切れ」という症状です。
ハンマーが上下にぐらついてしまい、
雑音が出たり、ひどい時は音が出なくなったりします。
写真の通り、
専用の工具でハンマーを引き抜いて、接着しなおします(^o^)
今回はニカワの代用品として木工用接着剤を使いました。
接着後、素早く本体に取り付け、ハンマーの細かい角度等を調整します。
ハンマーの角度が悪いと音の出が悪くなるので、この作業が1番重要です。
接着剤が完全に乾燥したら完成です!
雑音が出る原因はニカワ切れだけではないのですが、
今回は これが原因だったようです。
京部