「ピアノ」という楽器の由来

今回は「ピアノ」という楽器の由来についてお話していこうと思います。

 

「ドレミファソラシド」という音名はイタリア語であることは周知のとおりですが、

「ピアノ」という言葉の語源もイタリア語です。

私たちが音楽用語として普段使っているほとんどのものは実はイタリア語として通用するそうです。

ドイツ語では「Klavier(クラヴィーア)」、フランス語、英語ではそのまま「Piano(ピアノ)」と呼びます。

 

ピアノという楽器が出来た当初は、

「Clavicembalo col piano e forte(クラヴィチェンバロ コル ピアノ エ フォルテ)」と呼ばれ、

直訳すると「強弱のつけられるチェンバロ」という意味になります。

ピアノが出来たのは17世紀に入ってからであり、チェンバロが主流の時代でした。

1709年に、チェンバロの製作者であるバルトロメオ・クリストフォリが、

チェンバロを基にしてつくったのがこの「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」です。

チェンバロは弦を弾いて音を出すので強弱が全くつけられなかったのですが、

クリストフォリがつくったこの楽器はハンマーで弦を叩いて音を出すので、

若干の強弱が付けられたといいます。

この楽器が徐々に改良され、現在のピアノまで進化してきました。

クリストフォリが最初につくった「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」は残念ながら現存しませんが、

その後につくったとされるものがニューヨークのメトロポリタン美術館に展示されているそうです。

又、静岡県浜松市の楽器博物館にはそのレプリカとして再現されたものが展示されています。

 

当時は「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」と呼ばれていましたが、

それが省略されて「フォルテピアノ」や「ピアノフォルテ」、さらには「ピアノ」として広まったのです。

楽譜で「pf」と略されているのはこの語源があるからだと言えます。

 

京部