弦交換時のメンテナンスについて
まず、弦交換のサイクルですが、私の場合は大体1カ月半ごと、ドミナントは1カ月位で急に響きが悪くなるので、響かなくなるのを感じ始めたら弦を交換する事にしています。いつも良い音で演奏したいので弦の交換は欠かさず定期的に行います。
弦は半年、1年位は替えないという方もいらっしゃいますが、できれば劣化の早いE線とA線だけでも1カ月に1回交換されるとよいと思います。この2本を替えるだけでも大分響きは違います。
次に弦の種類についてです。バイオリンの弦にはたくさん種類があり、「弦の種類を替えただけなのに音の雰囲気ががらっと変わった」ということもあります。色々な弦を試されると新しい発見や楽しみが広がるかもしれません。ただ、弦楽器はデリケートな楽器ですので弦の種類を替えるときは交換後に出来るだけ楽器点検やメンテナンスに出されると良いと思います。弦の種類によっては太さや張力が違うものもあります。張力や太さが違うと楽器、特に駒にかかる負担は変わってきますので、楽器の状態維持のため、新しく張った弦の個性をより引き出せるよう、楽器点検やメンテナンスに出されることをお勧めします。
バイオリンマスタークラス担当 榎谷優子