(!) 各種感染症の対策につきまして※4月6日更新

滝本 美和(株)アール・エイチ・ワイ 音楽教室部門

私がアール・エイチ・ワイに出会うまで

私は、3人兄弟の末っ子として、高校卒業まで兵庫県姫路市で過ごしました。大学は、大阪にある一般大学に進学することになり、それを機に、実家を離れて大阪府高槻市にある親戚の家にお世話になることになりました。大学生活では、将来の仕事にはっきりした目標も持っておらず、「普通に勉強していれば、どこかには就職はできるだろう」と思いながら、ごく普通の女子大生として4年間の学生生活を楽しんでおりました。しかし、私が卒業の頃はまだ就職氷河期が続いており、女子学生は就職が難しい時代でした。必死で就職活動を行い、大学卒業間際に、運良く、大阪にある上場している大手企業に就職することが出来、両親親戚を安心させることが出来ました。

仕事を始めて3年経った頃、帰宅途中に通りかかったアール・エイチ・ワイ音楽教室にふらっと入り、衝動的に、アコースティックギターを習うことにしました。教室に通い始めてみると、レッスンは楽しかったのですが、私にはギターは向いておらずすぐに挫折し、1年程で教室は辞めてしまいました。当時のアール・エイチ・ワイ音楽教室は、開講科目はギターのクラスだけで、生徒数30名程度の小さな教室でした。教室では顔見知りも多くできていましたので、教室を辞めた後も、時折、雑談がてらに立ち寄るなど、私の息抜きの場所の一つになっていました。

 

アール・エイチ・ワイに入社するきっかけ

数年経ち、私が30歳を過ぎた頃には、教室は驚くほどに成長し、開講科目は20科目以上、生徒数は300名以上の規模になっていました。その頃、オーナーより、「教室が忙しくなったので手伝わないか」と誘われました。その時の私は、会社には何の不満もなく、転職を考えた事も全くなかったのですが、その話を家族や友人に話すと、「堅実な会社のほうが良い」「会社に不満がないなら、転職しなくても」と、自分が想像していた通りの返事が返ってきました。恐らく、私が同じような話を聞いても、その様に答えていたと思います。ですが、この誘いは、自分の人生観、仕事や社会との向き合い方を考える転機となりました。

当時私が勤めていた会社は、「女性は男性のサポート」という風潮が強く、女性の同僚は、結婚や出産を機に、次々と退職していきました。自分には結婚する予定がなかったこともありましたが、アール・エイチ・ワイの仕事は、「管理職として自分を試してみることができる」「単調な生活を変える最後のチャンス」と魅力的に思えた事、そして、収入面でも、それまでの会社と同等もしくは自分の仕事の出来によっては収入が増える好条件をオーナーが出してくれた事もあり、思い切って、10年間務めた会社を退職し、アール・エイチ・ワイに入社する事を決めました。

 

アール・エイチ・ワイに入社してから

アール・エイチ・ワイに入って仕事を始めてみると、それまでの10年間の経験は全く役に立ちませんでした。それどころか、音楽教室に携わる人々の考え方や慣習に自分が合わせることが出来ず、講師やスタッフと衝突することは日常茶飯事でした。私の入社を機に、教室を辞めた講師もおりました。また、それまでデスクワークしか経験のなかった私にとって、スタッフとして、生徒の皆様とどの様に接してよいかわかりませんでした。音楽教室は、年齢、音楽のジャンル、目的など様々な方が訪れる場所にもかかわらず、当時の私は、相手の希望や状況に応じた対応が全くできなかったのです。「なぜこんな人がスタッフなの」と思われた生徒様も多く、面と向かって言われた事もありました。ホームページでは、自分の中傷を見つけることも度々ありました。講師やスタッフ、生徒の皆様、一人ひとりに合わせて言葉を伝える事の難しさに直面していました。さらに、広告や経理など、実務面でも新たに覚える事もありましたが、前職でのデスクワーク経験は全く通じず、「こんなこともできないの?」「こんなことも知らないの」とオーナーから怒られることも日常でした。

最初の3年程は、私の仕事ぶりは散々で、悔しかったり不甲斐なかったりで、時折泣いた記憶もあります。こんな状況を何とかしようと、ビジネス本やマナー本を読み漁り、態度が悪く見えるのは見た目から直せば良いと歩き方教室にも通ったりしました。今振り返ると、仕事がうまくいかなかったのは、新しい分野で知識や経験がなかったからではなく、「10年間働いてきたのだから、自分は仕事ができる」と自意識過剰で、新たに出会った人々の価値観や考え方を素直に受け入れようとしなかった事が原因だと思います。

今まで無我夢中の毎日でしたので、何がきっかけで自分の仕事に対する考え方が変わったのかは覚えていません。ただ「継続は力なり」で、少しずつですが、自分の足りない点を認めて修正する事、講師や生徒の皆様の立場にたって話を聞く事ができるようになり、最初の3年間のような失敗は減ってきました。今では、アール・エイチ・ワイの音楽教室部門を代表する立場になり、不思議な気持ちになる時があります。まだまだ未熟ではありますが、これからも感謝と謙虚の気持ちをもって、教室と共に成長していきたいと思います。

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